2021年おめでとうございます

まずは干支に因んでこの虫がご挨拶。『ウシカメムシでござりまする。 本年も「虫押絵」になお一層のご贔屓を賜りますよう御願い奉りまする』

まだまだ新型コロナが猛威を奮ってますがね、今年の干支の赤べこ(会津)とキブナ(宇都宮)と、ご存知 アマビエの3匹が一緒に世界中をのして歩けば、もう何も怖いものなし!…ですよ。

なので毛虫界の妖精(と、呼ばれてるらしい!?)リンゴドクガちゃんに鏡獅子を踊ってもらいました。後ろにいるのは胡蝶ならぬリンゴドクガのお兄さん方です。

今年は標本ばかりでなく、こんな風に着物姿の虫も作ろうと思っています。

クリスマスっぽいビートル

南半球の12月は夏!コアラも好むユーカリなどの葉を食べて育ったコガネムシの仲間が元気に飛び回っていることでしょう。ちょうどクリスマスの時期に大量に出現する甲虫を現地ではクリスマスビートルと呼ぶそうです。別にクリスマスっぽいカラーの虫と言う訳ではありませんでした。

検索すると色々な画像が出て来るのですが、一番出てくるのは黄土色のコガネムシです。これぞクリスマス と思ったのは「ゴールデンクリスマスビートル」と紹介されていた金ピカのコガネムシですが、金襴で丸みを出すのは至難の技なので今回は見送りました。

黄緑色のモデルはそう、実家のザクロにザクザクいた…日本のアオドウガネによく似てるんですよね。名前はAnoplognathus prasinus と言うそうです。

それによく似た赤茶のコガネムシを見つけたのですがブリタニカによるとMay beetle とか June bug と呼ばれている甲虫で、北半球にいるようです。無関係なのですが、クリスマスっぽいと感じたので、無理やり赤い布を使って作っちゃいました。

緑と赤というクリスマスカラーのモデルは検索中にオーストラリア、キャンベラで撮られた写真の中で見つけました。これもクリスマスビートルと呼ばれているかは謎です。コガネムシの仲間だと思いますが、脚の先は濃い緑なのに脛の色は赤で、後ろ脚に特徴がありますが、ブローチにした際の使い易さを考えて省略しました。

かなり無理を承知で作ったクリスマスっぽいビートルたちの紹介でした。

コノハムシ(♀)

東南アジアのジャングルに住み、グァバやマンゴーの葉を食べて、のどかに暮らしているそうです。孵化から9回も脱皮し、9ヶ月近くかけて成虫になるのだとやら…。

木の葉のような立派な前翅を持つのはメスですが、後翅がないので飛べないそうです。オスは飛べる翅を持っているけれど葉っぱへの擬態は今ひとつかな!? なので作ったのはメスです。

↑各パーツを緑の布でくるみ、日本画の顔彩で濃淡のぼかしを入れて途中まで組み立てたところ。念の入った擬態で左右対称に茶色く変色し、あたかも虫に喰われた感を出しているコノハムシもいるけれど、今回はあっさり絵付けにしました。

まるで木の葉のような前翅の翅脈には、パーツを突き合わせた上に刺繍糸を渡してあります。よおく見ないとわかりませんがね。

顔はこんな感じです。触角まで枝に擬態しているように見えます。

お腹の側に貼り合わせる型です。左右の前脚と真ん中あたりに小型だけれど超強力マグネット⭕を埋め込みました。片手でも天井にとまれるようにね。それにしても100金のネオジム磁石は強力です。

裏側から見他ところです。コノハムシのシルエット!裏に貼った布は化繊です。

壁でも天井でも、金属のピン(画鋲)が刺せれば好きなところにコノハムシを貼り付けることができますよ〜。お宅のリビングの天井にコノハムシ!…いかがですか?

体長は145ミリほどです。

1頭につき、1箇所(お腹)の画鋲でもしっかりとまりました。右上の黄緑のコノハムシは右前脚のマグネットで貼り付いています。

ナミアゲハ

黄色っぽくて大きなアゲハは、白くて小さなモンシロチョウ同様、日本人に一番馴染み深いチョウではないでしょうか?柑橘の種をつい観葉植物の鉢に埋める癖があります。それが芽を出したものを別の鉢に植え替え、ベランダに並べておくと、たまにナミアゲハが卵を産みに来ます。

パンジーにとまっているのは、そうやって生まれ育ち、蛹で越冬して春先に羽化した個体。めぼしい蜜源植物がまだ咲いてなくて、ちょっと気の毒。これをモデルにナミアゲハを作ることにしました。

身近でありながら、今までナミアゲハを作らなかったのは、型紙が細かくなりそうと思ったから。たしかにカッターナイフを使わないと切れないサイズです。

くしゃみでもしたら飛びそうだし裏に番号も書けないので、まずは急いで黒い布を包みました。

黒い骨組み部には、ごくごく薄い綿が入っています。そこにベージュやブルーの布を嵌め込んでいくような感じです。黒線は描くだけでなく、ハサミで切ったままの布を貼り付けたり、黒い糸を渡したりして強調することにしました。

とりあえず布はすべて包み終えたところ。ナミアゲハっぽくなりました。

絵付けを最低限に抑えるため、上翅の中室の中のベージュの線は絹の穴糸でそれらしく刺し、下のY字の翅脈は切りっぱなしの布を黒糸で留めました。

次は墨と布用絵の具を使って、足りない模様を描き足します。

これでずいぶんナミアゲハに近づきました。

最後は体幹部です。今回はベージュの布を包んだものに、人形用の髪の毛(白いスガ糸)を貼り、上から黒い裁ちっぱなしの布をのせてみました。

ワイヤーは0.28ミリの黒。目玉はチェコビーズラウンドジェットの4ミリです。

すべてのパーツを貼り合わせると…

裏側には黄緑色の布を貼り合わせ、間には直径16ミリの超強力マグネットを挟み込んであるので、壁に画鋲を刺せば好きな所にとまらせることができます。

あるいはカーテンやタペストリーにとまらせるなら、マグネットを一つ用意して裏側から布を挟み込むようにすると、簡単に好きな場所に付けられます。

裏側には一応、脚が付けてあるので、自然な姿勢で立たせることができます。

押絵のナミアゲハは前翅長が70ミリほど。ちょっと大きめのサイズです。

2020 ギフチョウ

ぽかぽか陽気なのにコロナで落ちつかない2020年の春、ギフチョウを作り直したい気分になりました。

サイズを出来るだけ小さくして本物に近づけるのが目標です。

型紙の数は21枚に減らしました。模様はもっとずっと細かいのですが、あとは絵付けでカバーします。

厚紙に薄く綿をのせ、絹の布で包みました。

これはステンシル用のシートです。色を変えたい部分の型をデザインカッターで切り抜きました。 ☚ この作業が苦手です。上手い方によると「カッターを握った右手を動かさずに左手で下のマットだけ動かすの」だそうですが…出来ませ〜ん。修行中です!

使用した絵の具は、3つの会社のこの6種類です。ステンシルした後で熱を加えるタイプと、そのままで良いものとがあります。どの会社の製品が使いやすいか検討中です。

ステンシル後の写真を撮り忘れたので黒い布をくるんだ体幹部にビーズの眼と、細ワイヤーの触角を付けた前後の様子です。

次はこの体幹部をそれらしく見せるために最近始めたフェルトの肉じゅばん作りです。材料はウールの原毛を黒と黃に染めたもの。水で濡らして、少し石鹸を付けた手で撚って丸めて、頭、胸、腹のような形を作ります。

よく乾いたら適当にハサミで切って、頭部、胸部、腹部を貼りつけました。

絵付けして組み立てておいた翅の上に、体幹部をのせたら…すっかりギフチョウらしくなったようです。

裏側はこんな感じです。裏革にはあらかじめワイヤーで作った脚が通してあります。

裏革の中にはこの小さな強力マグネットをひと粒埋め込みました。

こんな風に壁にとまらせたてみたかったからです。なんかホンモノの蝶みたいです〜💞

好きな場所にあらかじめ画鋲を挿しておけば、蝶を自由な向きでとまらせることができます。鋲のあとは残っちゃいますけどね。

右が本物の標本です。このスタイルも作りました。

そしてこれが以前作った大きめブローチタイプです。ずっと気になっていた体幹部を、モフモフに作り直せてやっとスッキリしました。