赤と黒の蛾(Tyria jacobaeae)

♪ あ〜赤と黒みたいな あ〜恋をしています ♪

思わず歌ってしまいたくなるような美しい蛾です。残念ながら日本にはいません。ヨーロッパ、西アジア、中央アジアにいるそうです。

スタンダールの『赤と黒』は今でも新潮文庫の100冊に入っているようですね。夏休みの度に読もうかな?…と思いながら手が出なかったのは、内容が重たそうな愛憎劇と知っていたから。

しかし舞台にはよろしいようで、宝塚では菊田一夫版と柴田侑宏版(愛こそ我がいのち)で何度も上演されているそうです。

幼虫もオレンジがかった黄色と黒のシマシマ胴体が美しくとても魅力的です。実は幼虫を作りたかったけれど、黒くて細長い毛がぽわ〜んと生えているのをどうするか?悩んでいます。

さて幼虫、成虫ともにとても目立つのは食草のなかのアルカロイド(毒)を吸収して体内に蓄え、捕食者に『食べたらいかんぞ』との警告のようです。

作り方をざっと説明しますと…

これが型紙です。13のパーツで出来ています。

赤と黒の布でパーツをくるんでいる途中です。

左側の前翅の上部(左側)に黒く墨を入れたところ。

背中のもふもふした部分は、人形の髪に使う毛を付けてみました。

左下の三本のワイヤーが脚に、右上が触角に、2㍉のビーズが眼に、ビーズの間の細紐が頭になります。

組み立て後、裏にはブローチピンを付けて完成です。そうそうわかるかしら?脚の先にはUVレジンの玉コロが付いています。一応、尖りの緩和…のつもりですが、効果はわかりません。

 

 

サザナミスズメ

一年の終わりに、これぞイモムシ!…と言うようなので締めたいと思い検索してモデルを探しました。◯◯スズメは頭の腹側から尻尾の背側に向かって斜めの///////7本ラインがあるものが多いけれど、顔彩で描く?糸を貼る?……と悩んでいたところ、サザナミスズメの写真でお腹側が白く、背中側がうす黄緑のものがあり、これを採用しました。小波(さざなみ)のギザギザを貼り合わせるのはたいへんでしたが、胡粉で白いラインを繋げることで自然な感じになりました。

モチモチして存在感ありますでしょ?手前のちょっと色が濃い幼虫は柔らかい錦紗縮緬を使い、上の2頭はざらざらした感じの縮緬を使用しました。

昔、住んだ家にはネズミモチの木も数本あり、色々な虫も暮らしていて、大型のイモムシもよく見ました。しかしあの頃は蛾に関心がなくて本当にもったいないことをしました。

アオバセセリ

日本で青緑色の翅を持つセセリチョウはこの一種だけとのことです。幼虫の食べ物はアワブキなどの葉っぱ。それを折畳んだり、丸めたりしてその中に隠れて暮らすそうで、終齢幼虫は派手な美しい衣装を纏っています。

黒地に薄黃のラインは糸を巻けば良いだろうと、手持ちの木綿糸を使ったところ、艶がないし毛羽立つので絹に変更。手縫い9号とボタンホールに使う穴糸の二種類を買ってきて試してみました。薄黃と薄黃の間にも黒い糸を挟んであります。これは糸が折れ曲がるのを防ぎ、自然なカーブを描くために入れたのですが、面倒な作業でした。

黄色い縞と縞の間にはブルーの絹糸の玉結びが並んでいます。横顔にも黒糸で二箇所。正面からだと黒い点が五箇所にあります。しかも葉巻のように巻いた葉っぱから五つの黒点が見えるように赤い顔を覗かせるのです。そのココロは…?不味いテントウムシに擬態しているのだろう…と言うのはニンゲン達の解釈。

アケビコノハ

11月に入ってから『うちのアケビにコノハちゃんの幼虫がたくさん来たよ』と虫仲間から連絡をもらい、いそいそと連れ帰りました。当初、大小取り混ぜ5頭と思ったのですが、神経質なチビはすぐに戻し4頭。さらに初めての飼育でエサの確保に不安を感じ、手入れに行った公園のアケビに一頭放して3頭に。

これはそこのアケビで羽化した蛹の巣をバラして抜け殻を取り出したところです。蛹の下の黒いものを拡大すると、終齢幼虫時代のお面であることがわかります。

さて今回の幼虫は写真の通り、地味な焦げ茶色で申し訳程度に白いレース模様が入り、目玉も控え目です。あまりキラキラしているより、マネしやすいだろうと思いきや、ライトを当てないと、何処がどうなっているのかよくわからず四苦八苦。

そうこうして作業が捗らないうちに、幼虫は3頭とも、アケビの葉を使って囲いを作り、その中に隠れて蛹になってしまいました。

アケビコノハの蛹化は、はじめ枝から離れたところで一日二日を過ごし、それから葉っぱに戻って加工を始めるという流れでした。自然界ではアケビから離れ、遠いところで気に入った葉っぱを使って蛹になるのでしょうね。フンは蛹化直前までいつもと変わらぬカリカリ乾燥した硬いものでした。

これは見にくいですが一頭目の様子。葉っぱが少なかったのか?大きな葉をよっこらしょと一枚、自力で蛹化箱の隅に運び、網戸の網と葉で巣を作りました。おかげで中の様子がよくわかります。二日目の朝は目玉模様が確認できましたが、その後、黒光りする蛹になりました。ちょっと不気味です。

そして巣作りを始めで30日後、気が付いた時には、こんな葉っぱになっていました。ちょっと驚くとパッと羽を開いて中のオレンジの目玉模様で威嚇しますが、一瞬なので写真が撮れません。

アケビコノハ、幼虫も成虫もユニークで面白いですね。

ブローチには前脚も、3本つけてあります。この角度だと見えますかね?目力を出すために黄色い丸の周りは、焦げ茶色の絹の穴糸で縁取りしました。

羽化した成虫は冬空の下、枯葉にとまったまま眠そうにしています。春まで、このまま過ごすのでしょうか!?

 

 

絹をつくり出す虫たち

清澄白河駅から徒歩7,8分の落ち着いた街中に、ワイルドシルクミュージアムhttp://www.wildsilk.jp/と言う世界の絹糸昆虫を紹介し、絹製品を扱うこぢんまりしたお店があります。

シンボルマークはエリサンの顔。

エリサンってここに来るまで知りませんでしたが、日本の天蚕のように中国やインドでは野生に生息していて、それを昔、絹糸虫として日本に輸入した子孫が残っていて、今でも長野県などで小規模に飼われているそうです。

現在、養蚕自体を目にすることが少なくなっているなか、ここのミュージアムでは運がよければこのエリサンの幼虫も見る事ができます。

白くて頭が黄色い終齢幼虫は蛹化間近。大きさは7センチほどありました。

このグリーンがかっているものは、シンジュサンとの掛け合わせだそうで、きれいでした。

ひょんなことから、こちらに絹糸虫ブローチを置いてもらっています。

【カイコ幼虫のブローチ】

先ずは何と言っても絹糸生産No.1のお蚕さん。白い錦紗縮緬がメインです。頭部ピンク色の中にあるふたつの眼は描いたのでなく絹糸を玉結びにしています。同様に胸部の黒色の中の赤と白の線も糸で表現しています。

【サクサン成虫のブローチ】

サクサンと言う蛾も明治時代に中国から輸入されたヤママユの一種だそうです。

触角は絹の繊維をほどいて利用しました。また胴体には、以前購入したものの使いみちがなくて困っていたタッサーシルクの束を、人形の髪の毛の要領で貼ってみたら、いい感じになりました。

【エリサンロゴマークのブローチ】

このマークは帆布バッグにもプリントして売られていました。大きさがちょうど良いのと、バッグチャームにエリサンの繭の抜け殻が付いていたのが気に入って購入。

裏がまたインパクトあるんですよ。混雑した電車内でこれを見えるように掛けたら、、、周りの人が嫌がって空かないかしらね!?